- ネコに多い病気って?
- オスとメスでかかりやすい病気が違うの?
- 年齢で発症しやすい病気が変わるの?
- 病気を予防するにはどうしたらいいの?
と悩んでいる方に向けて書いています。
猫に多い病気を知っておくことで、病気を発症してしまう前に予防したり、早めに対処しやすくなると思います。
猫自身が予防するのは難しいので、飼い主さんが代わりに気をつけてあげてくださいね。
目次
ネコに多い病気って?
膀胱炎、結膜炎、猫風邪などです。
猫がなりやすい病気として、
- 膀胱炎
- 結膜炎
- 猫風邪
があげられます。
膀胱炎
おしっこが出ないのを様子見すると急性腎不全になることも!
- 頻尿
- 排尿時の痛み(おしっこをする時に鳴いたり、ためらう)
- 血尿、尿のにごり
などが主な症状で、
- お水をたくさん飲ませる
- 抗生剤や消炎剤などの薬を飲ませる
- 処方食にかえる
といった治療を行います。
結膜炎
ひどくなると、まぶたが開かなくなることも!
猫の結膜炎は、
- 急性カタル性結膜炎
- 慢性カタル性結膜炎
- 急性化膿性結膜炎
- 慢性化膿性結膜炎
に分けられます。
目から粘り気のある分泌物が出たら、早めに病院に連れて行ってあげてください。
治療法は原因によって異なりますが、点眼薬や軟膏、ウイルスを抑制する薬などを処方されることが多いです。
猫風邪
4つの病原体によって引き起こされる症状を総称して猫風邪と呼んでいます。
猫風邪を引き起こすのは、
- 猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)
- 猫カリシウイルス感染症
- クラミジア
- マイコプラズマ
の4つの病原体で、
- くしゃみや咳
- 鼻水
- 発熱
といった人間の風邪と同じような症状の他に、
- 目やに
- 角膜の炎症
など、猫特有の症状が現れます。
抗生剤や抗ウイルス剤の投与で治療するのですが、猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)だけは一生治りません。
人間のヘルペスと同じように、一度症状が治まっても、免疫力が低下すると再び発症してしまうのです。
症状としては、便秘と嘔吐も多い
いつものことだと油断すると、命の危険が!
猫は便秘になったり、吐いてしまうことがよくあります。
始めは慌てても、慣れてくると、「またか」と思ってしまいがちです。
でも、4日以上便秘が続いたり、1日に何度も吐くなど吐く頻度が高い場合には、獣医さんに診てもらってください。
放置すると命にかかわる深刻な事態になってしまうこともありますから、油断は禁物です。
目や排泄の状態を日常的に確認してあげてください。
子猫がかかりやすい病気
猫伝染性腹膜炎や寄生虫などです。
子猫がかかりやすい病気として、
- 猫伝染性腹膜炎(FIP)
- 寄生虫
などがあげられますが、他にも多数の病気があります。
子猫衰弱症候群のように突然死に至る病気もありますから、免疫力が低い子猫のうちは体調管理に細心の注意をしてあげてください。
猫伝染性腹膜炎(FIP)
発症すると致死率がほぼ100%の恐ろしい病気です。
猫腸コロナウイルス(FECoV)がFIPウイルスに突然変異することで発症しますが、その原因がまだわかっていません。
現在は確実な治療法がないため、症状の緩和や延命を目指した治療になります。
寄生虫
回虫や鉤虫、瓜実条虫(サナダ虫)などがあり、人にも感染します。
- 回虫・・・食欲不振、貧血、下痢、便秘、嘔吐など
- 鉤虫・・・下痢、血便、貧血
- 瓜実条虫(サナダ虫)・・・おしりのかゆみ、水のような下痢、体重の減少
の他、フィラリア、トキソプラズマ、ノミ、マダニ、ヒゼンダニなどにも注意が必要です。
子猫の場合、発育不良や衰弱死につながるので、寄生虫かな?と思ったら、すぐに病院で治療してもらってください。
子猫はわずかな異変でも速やかに病院へ!
メス・オスがかかりやすい病気
早めに避妊・去勢手術をすると予防できる病気が多いです。
メスがかかりやすい病気は、
- 子宮がん
- 乳腺腫瘍
などで、
オスの猫がかかりやすい病気は、
- 尿路結石症
- 精巣腫瘍
などです。
子宮がん
悪性度が高く、発見時には転移していることも。
猫の子宮がんは、
- おりものが多くなる
- 下痢
- 便秘
- 嘔吐
- お腹の膨らみ
といった症状が現れます。
子宮がんを発症したら、子宮や卵巣を摘出することになりますが、すでに転移しているケースが多いといわれています。
子猫を産ませる予定がないなら、早めに避妊手術をした方がいいと思います。
乳腺腫瘍
猫の乳がんで、避妊手術をしていないと発症率が7倍になります。
お乳に腫瘍ができることを乳腺腫瘍といいますが、猫の場合はほとんどが悪性なので、がんということになります。
最初の発情が来る前に避妊手術をすれば、10%前後の発症率に抑えられますから、子猫のうちに検討してください。
太らせないようにしたり、お腹のマッサージを習慣にするのも予防に繋がります。
尿路結石症
水をあまり飲まない肥満のオス猫は要注意です!
尿路結石症は、
- 腎臓
- 尿管
- 膀胱
- 尿道
のいずれかに石ができてしまいます。
メスでも発症しますが、オスは尿道が狭いので、特に気をつけてあげる必要があります。
お水をあまり飲まず、人間の食べ物をよく食べていたり、肥満でトイレに行く回数が少ないと発症しやすくなります。
精巣腫瘍
悪性(がん)の場合は死に至ることも。
去勢していない中高年の猫に多いので、
- 片方が腫れて、左右の大きさが違う
- 固い
- ゴツゴツしている
といった精巣の変化や
- 咳
- お腹の膨らみ
などの症状が現れたら、病院で診察してもらってください。
手術に耐えられる体力があれば摘出手術を行い、手術が難しければ抗がん剤での治療になります。
メスの子宮がんと同じく、去勢手術を行っていれば発症しませんから、子供を作らせないなら、早めに手術をしておいた方がいいと思います。
早めに避妊・去勢手術を行うことで防げる病気があります。
シニアの猫がかかりやすい病気
年をとると免疫力が低下して、病気を発症しやすくなります。
シニアの猫がかかりやすい病気には、
- 関節炎
- 歯周病
などがあります。
老化に伴ってあらゆる病気の発症率があがりますので、腎不全や糖尿病、心臓病、がんなどにも気をつけてあげてください。
子猫がかかりやすい猫伝染性腹膜炎(FIP)も発症しやすくなるといわれています。
関節炎
老化で軟骨がすり減ると、人間と同様に関節炎を発症することも。
- 足を引きずっている
- 歩く時に持ち上げている足がある
- あまり動かなくなった
- 高いところに登らなくなった
このような場合は、関節炎を発症していて、痛いのかもしれません。
関節炎が悪化すると、変形性関節症になってしまうこともありますから、早めに病院で詳しい検査を受けた方がいいです。
また、太っていると関節に負担がかかってしまうのも人間と同じなので、猫を太らせないように気をつけてください。
年齢に合わせたシニア用のフードに切り替えるのがオススメです。
歯周病
歯が抜けてしまうこともあるので、デンタルケアを習慣に!
猫も人間と同じく、
- 歯肉炎
- 歯周炎
- 歯周病(歯槽膿漏)
になります。
年齢と共に歯についた歯石が増えて、歯が抜け落ちてしまうこともあるので、早めに歯磨きを習慣にしておきたいですね。
- 猫用の歯ブラシで磨く
- 濡らしたガーゼを指に巻き付けてこする
- ペット用の歯磨きシートを使う
といった方法があります。
また、歯石ケア用の処方食やおやつも売られています。
いきなり歯を磨こうとしても難しいと思うので、少しずつゆっくりと時間をかけて慣らしていってください。
猫もデンタルケアが重要!
猫に多い病気をまとめると
- 膀胱炎
- 結膜炎
- 猫風邪
- 猫伝染性腹膜炎(FIP)
- 寄生虫
- 子宮がん
- 乳腺腫瘍
- 尿路結石症
- 精巣腫瘍
- 関節炎
- 歯周病
などがあげられます。
猫特有の病気もありますが、人間と共通する病気も多い
という感じですね。
特に、免疫力が低い子猫やシニア猫は様々な病気を発症しやすいので、何か異変を感じたら、すぐに病院に連れて行ってあげてください。
定期的に健康診断を受けるのも、病気の早期発見につながります。
まずは予防、次に早期発見・早めの治療を目指したいですね。